株式の分析方法には、いろいろな方法があります。分析というと難しく感じますが、株式取引における分析とは、「公開されている情報から、現在の株価が割高か割安かを判断して、割高な株を売り、割安な株を買う」ということです。ですので、分析という言葉から想像されるような難しい数式を用いて計算するような作業は必ずしも必要ありません。まして、現在はネット上に、すでに分析済みのデータが氾濫していますので、自分で計算するというよりは、各分析手法の特徴(その指標の意味)を知って、ネットで検索して、自分の買いたい銘柄を探す、という作業が分析であると考えてよいでしょう。

では、株価の分析手法にどのようなものがあるか見て行きます。大きな分類として、ファンダメンタルズ分析、テクニカル分析の2手法があります。ファンダメンタルズ分析は、企業の決算情報や、経済指標などファンダメンタル(経済の基礎的条件)に着目して株価を分析する手法です。テクニカル分析は、過去の株価の値動きに注目して、今後の株価を予測し分析する手法です。

ファンダメンタルズ分析とは何か

ファンダメンタルズ分析とは、経済指標や、企業の財務諸表から株式投資に対しするスタンスを決めるための分析手法です。特に株取引では、株価と財務諸表のデータとを関連付けて指標として使用します。代表的な指標をご説明しましょう。

  • PER(パーと読みます)
  • PERは、時価総額を純利益で割った数値です。時価総額は、株価×発行済み株式数です。純利益は、直近の業績予測から算出します。つまり、株価が直近の利益の何倍かを会わらす数値です。この数値が大きければ、株価が割高と考えられますし、同時に、投資家の人気が高いと判断できます。また小さければ、割安で、投資家の人気が薄い銘柄と判断できます。

  • PBR(ピービーアールと読みます)
  • PBRは、株価純資産倍率といい、株価を、純資産を発行済み株式数で割った数字で、さらに割り返した数値です。

    PBR = (株価) / (純資産/発行済み株式数)

財務諸表の純資産が、会社のもつ資産のすべてを表すと考えます。分母の数字は、一株あたりの資産金額となります。つまり。PBRは、その時の株価は、その会社の価値の何倍になるかを判定する指標ということになります。理論的には、PBRは1倍以下になりえません。なぜかと言えば、大金持ちが発行済み株式をすべて買って、その会社を解散してお金に代えれば、確実の儲かるので、そのような価格で株価が放置されることは考えられないのです。

しかし、実際には、PBR1倍以下の会社は多く存在します。特に相場全体が低迷してる場合には多く存在する状態になります。銘柄によって株価低迷の原因はさまざまですので、PBR1倍以下だからと言って、即買いとは決してなりません。その他の指標もよく検討する必要があります。これ以外にもファンダメンタル分析に使う指標は多数ありますので、指標の中身をよく理解してから、投資に役立ててください。

テクニカル分析とは何か

テクニカル分析とは、ファンダメンタル分析で用いた、経済指標や財務諸表の数値とは直接関係なく、過去の値動きを検証して分析し、今後株価が上向くか、下がるかを予測する手法です。ですので、ファンダメンタル分析には、統計で使われる考え方がよく登場します。しかし、統計学を知らないとテクニカル分析ができないという意味では決してありません。ファンダメンタル分析と同様に、その意味を理解して、株式投資に役立てることが重要です。代表的な指標として移動平均線があります。これを知らないでリスク資産に投資している人は、まずいないでしょう。移動平均線は、過去の決められた期間の平均価格を計算して、チャート上に曲線のグラフで表示します。

日足チャートに、5日移動平均線を表示して、株価が移動平均線を上に抜けた時に買いを入れて、下に抜けた時売るといった手法が考えれますが、これを実践すると、ほとんどの場合に損をすると思います。むしろ移動平均線の下では決して買ってはいけない、などの補助的な利用用途で使う投資家が多いのではないでしょうか。テクニカル分析で重要なことは、それを使って売買を実施した場合、どの程度の収益が期待できるかを過去のデータで検証できるということです。

この検証作業で、例えば過去2年で、10回トレードチャンスがあって、8回利益が出たのであれば、実際に自己資金を使って株取引をする価値があるでしょう。もし、2回しか利益が出ないトレードなら、別の指標を検討したほうが良さそうです。このような過去のデータで検証が可能であることがテクニカル分析の最大のメリットと言えるでしょう。

テクニカル分析手法 ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドは、多くのリスク資産の投資家が好んで使用する代表的なテクニカル手法のひとつです。ボリンジャーバンドは、統計学の標準偏差と正規分布を利用して価格の値動きを予測します。過去の一定期間の平均価格を計算します。平均価格とそれぞれの価格の差から標準偏差を求めます。標準偏差をσ(シグマとお読みます)と表現し、「平均値プラスマイナス1σ」「平均値プラスマイナス2σ」「平均値プラスマイナス3σ」の六本の曲線と、上述の移動平均線を表示して、ボリンジャーバンドが完成します。各σの曲線の中に、約68.3%、約95.4%、約99.7%、以降の価格含まれることが数学的に証明されています。これはすごい、3σの下で買えば、99.7%儲かると思ったあなた。そんなことはありません。

実際にチャートを見ると、大きく値が動く瞬間では、ボリンジャーバンドも大きく開き、σもどんどん大きくなって行きますので、単純に下値が切り下がって行くことになります。ここでも重要なのは過去データの検証です。ボリンジャーバンドの1σ以内に収まっている時に、1σの下で買って、移動平均線の上で手仕舞いしたら過去どのくらい儲かったのかなど、自分の建てた戦略を必ず検証してください(ネット証券の時系列データを使えば簡単にできます)。それをやって初めて、自身を持って株取引が可能になるのです。